2017年12月31日日曜日

アメリカの単位

容量の単位


・液量オンス(fl oz) 29.6cc
・大さじ(tbs) 14.8cc(1/2 fl oz)
・小さじ(tsp)  4.9cc(1/6 fl oz = 1/3tbs)
・カップ(cup) 236.6cc
・パイント(pt) 473.2cc(2cup)
・クォート(qt)  946.4cc(4cup = 2pt)
・ガロン(gal)  3785.4cc(16cup = 8pt = 4qt)

※webや雑誌でアメリカのレシピを紹介している場合、カップには十分気をつけたほうが良いです。アメリカのcup(236.6cc)と日本のカップ(200cc)の違いを理解せずに、『1cup』をそのまま『1カップ』として紹介している場合があります(すごく多い)。量が約2割違っているので、レシピ通りつくると最低な料理が出来ます。


重量の単位

・オンス(oz) 28.35g
・ポンド(lb)  453.59g(16ozに相当)


長さの単位

・インチ(in) 2.54cm
・フィート(ft) 30.48cm(12in)
・ヤード(yd) 91.44cm(3ft = 36in)
・マイル(mi) 1609.344m(1760yd)


温度

摂氏と華氏の換算式だけ書いておきます
※Fは華氏温度、Cは摂氏温度
※華氏の1目盛りは摂氏の0.56目盛りに相当します

・F = 9/5C + 32
・C = 5/9(F - 32)

ちなみに『0°F = -17.8℃』、『100°F = 37.8℃』です。


英米の単位は本当にわかりづらいです。
上には書きませんでしたが、容量の単位には『液量』と『乾量』と2つの系統があって、同じガロンでも液量(3785.4cc)と乾量(4404.8cc)では量が違います。オンスはさらにひどく、容量の他に重量の単位としても使われており、なおかつ重量オンスは3種類(常用、トロイ、薬用)もある始末です。単位の記号もわけがわかりません。ポンド(pound)の記号が"lb"ですからね(ラテン語のlibraが元ですが、だったらリブラにすればいいのに)。

2017年12月30日土曜日

ボンマック BM-250N

少し前に買ったボンマック(BONMAC)のコーヒーミルBM-250Nの挽き目が気になったので調べてみました。

調整ダイヤルの目盛りは1〜8まであり、間の位置でも止まるので1〜8.5まで16段階に調整できます。各ダイヤルの挽き目は取扱説明書によると以下のような目安になっています。

挽き目 ダイヤルNo. 使用器具
細挽き 1・2 水出し
中細挽き 2・3 ペーパー/サイフォン
中挽き 4・5・6 ペーパー/サイフォン
コーヒーメーカー
粗挽き 7・8 パーコレーター

では実際には、どのような挽き目になっているんでしょうか。さすがに試験用のふるいは持っていないので、バラして構造から推測してみたいと思います。

調整ダイヤルの真ん中にあるネジを外すと、歯車のように全周に切り欠きのあるパーツが本体にねじ込まれています。調整ダイヤルを回すと、この部品の切り欠き部分で『カチッ』と止まるようになっており、一周で24か所の切り欠きがあります。

ここでちょっとだけ機械の勉強です。ネジの規格は単純化すると直径とピッチの2つで決まります(条数とか右・左とか細かいことは無視)。直径は誰でもわかるので説明しませんが、ピッチの方は知らない人も多いと思うので簡単に説明します。ピッチはネジの山と山の間の距離で、普通のネジなら一回転させるとピッチの分だけ締まったり緩んだりします。

というわけで、上記の歯車のような部品のネジピッチがわかれば、調整ダイヤルを『1ノッチ=0.5目盛り』動かしたときにミルの刃の間隔がどのくらい動くかがわかります。部品をバラして定規を当ててみると2mmよりは小さく1.5mmよりは大きいサイズに見えます。本当はピッチゲージという測定工具で調べるんですが、持っていないので見た目で判断しました。ピッチのサイズは規格で決まっており、1.5、1.75、2.0と並んでいるので、 たぶんピッチ1.75mmで間違いないはず。

後は簡単な計算です。一周で24ノッチなので、
1.75mm ÷ 24 =  0.073mm
1ノッチ(0.5目盛り)あたり0.073mm歯の隙間が開閉することがわかりました。

取扱説明書によると、ミルの刃が接触した状態から2ノッチ分緩めた場所が目盛り1の正規の位置です。あとは、上記の計算でわかった刃の移動距離に基づき、各目盛りの挽き目(刃の隙間)を割り出すと下記の表となります。

 目盛り   隙間(mm) 
1 0.15
1.5 0.22
2 0.29
2.5 0.37
3 0.44
3.5 0.51
4 0.58
4.5 0.66
5 0.73
5.5 0.80
6 0.88
6.5 0.95
7 1.02
7.5 1.10
8 1.17
8.5 1.24

ついでに前に割り出した挽き目の参考値も貼っておきます。

1  極細挽き…0.2mm以下 #70(0.212mm)を通過する
2  細挽き…0.35mm前後 #45(0.355mm)を通過する
3  中細挽き…0.5mm前後 #35(0.500mm)を通過する
4  中挽き…0.6mm前後 #30(0.600mm)を通過する
5  中粗挽き…0.8mm前後 #20(0.850mm)を通過する
6  粗挽き…1mm以上 #16(1.18mm)を通過する

この参考値に当てはめると各目盛りの挽き目は下のようになりますが、あくまでも計算上の数字なので、この通りになる保証はありません。また、粒度のばらつきもどの程度かわからないので、やはりふるいで試験をしたいところです。

極細挽き…1
細挽き…1.5〜2
中細挽き…2.5〜3
中挽き…3.5〜4
中粗挽き…4.5〜5.5
粗挽き…6〜8

まあ、ここまで厳密に見極める必要は無いんですが、メーカーさんにはスペックとして最小の刃の隙間と1ノッチあたりの移動量を記載して欲しいところです。

参考までに、私はコーノ名門ドリッパーで4.5番の挽き目にしています。個人的には中煎りの豆で以下の感じでしょうか。

 ・3.5 粉が細かすぎて目詰まりする。雑味が非常に多い
 ・4 お湯の落ちが遅く、とても濃く抽出される。雑味多め
 ・4.5 適度なお湯の落ち。豆量少なめなら、一番バランスが良いように思う
 ・5 お湯抜けが良く、抽出が早い。あっさり目なので、豆量多めが良い
 ・5.5 お湯の抜けが良すぎる。よほど豆量を増やさないとコクが出ない
 ・6 浸漬法(フレンチプレス)に良さそう。

2017年12月29日金曜日

ふるい

コーヒーの挽き目について調べていたら、ふるいにまでたどり着きました。もはや、コーヒーとは関係ない話ですが、せっかく調べたので備忘録として残しておきます。

ふるいや粒度の話をするとメッシュ(mesh)という言葉がよく出てきますが、もともとは1インチ(25.4mm)に含まれる網の目の数をふるいの粗さの単位として利用していたので『mesh=網』がそのままふるい(粒度)の単位になりました。だから、#10なら1インチの間にふるいの目が10個並んでいるんです。じゃあ、25.4mm÷10で網の目のサイズは2.54mmになりそうなものですが、実際には下の表のとおり2mmです。なぜなら網の目は針金でできているので、針金の太さ分を引かなければならないからです。これが、旧タイラー(Tyler)や旧ASTM、旧JIS(旧ASTMをベースにしている)規格です。

でも、ふるいを使うときに知りたいのは網の目のサイズ(目開き)であって、1インチに網の目が何個あるかなんてどうでもいいですよね。しかも針金の太さまで関係してくるので、使う立場の人間からすると昔の規格はわかりづらかったんです。

そこで、網の目のサイズ(目開き)をそのままふるいの単位とするように規格が変更されました。これが現在のASTM(アメリカの規格)やJISのふるいの規格です(どちらもISO規格準拠なので基本的に一緒)。したがって、メッシュという単位はすでになくなっているんですが、昔からの流れで今でもメッシュの呼び名が一般的に使われています。

わかりやすく単純化して書いたので不正確な部分もありますが、このくらいで勘弁して下さい。
一部を抜粋してふるいの規格表を載せておきます(便宜上ぜんぶmm表示にしています)。

 メッシュ  旧JIS
 目開き 
(mm)
旧Tyler
 目開き 
(mm)
旧ASTM
 目開き 
(mm)
新ASTM &
 JIS 目開き 
(mm)
4 4.76 4.699 4.76 4.75
5 4.00 3.962 4.00 4.00
6 3.36 3.327 3.36 3.35
7 2.83 2.794 2.83 2.80
8 2.38 2.362 2.38 2.36
9
1.981

10 2.00 1.651 2.00 2.00
12 1.68 1.397 1.68 1.70
14 1.41 1.168 1.41 1.40
16 1.19 0.991 1.19 1.18
18 1.00
1.00 1.00
20 0.840 0.833 0.841 0.850
24
0.701

25 0.710
0.707 0.710
28
0.589

30 0.590
0.595 0.600
32
0.495

35 0.500 0.417 0.500 0.500
40 0.420
0.420 0.425
42
0.351

45 0.350
0.354 0.355
48
0.295

50 0.297
0.297 0.300
60 0.250 0.246 0.250 0.250
65
0.208

70 0.210
0.210 0.212
80 0.177 0.175 0.177 0.180
100 0.149 0.142 0.149 0.150
115
0.124

120 0.125
0.125 0.125
140 0.105
0.105 0.106
150
0.104

170 0.088 0.089 0.088 0.090
200 0.074 0.074 0.074 0.075
230 0.063
0.063 0.063
250
0.061

270 0.053 0.053 0.053 0.053
325 0.044 0.043 0.044 0.045
400 0.037 0.038 0.037 0.038


ふるい繋がりで、面白い道具を見つけたのでついでに書いておきます。『KRUVE SIFTRE(クルーヴ・シフター)』というコーヒー粉専用のふるいです。ふるいが2段になっており、下のふるいで微粉を除き、上のふるいで大きすぎる粉を除きます。2つのふるいに挟まれた間の空間に目標粒度の粉がたまる寸法です。

わりと最近発売されたばかりのようですが、日本国内でもすでに販売されています。ふるいの網が12枚ついて17,000円ほどなので、とても魅力的な商品です。標準規格のふるいは、一番小さいサイズのものでも1つ3千円くらいするので、ふるい網が12枚ついてこの値段は格安です。
 
付属のふるい網は、mmに換算して0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1の12枚。日本ではまだ販売していないようですが、オプションのふるい網が3つ(1.2、1.4、1.6)あり全部揃えると計15枚のラインナップです。標準規格のふるいとは開き目が違うものの、コーヒー専用で使うには丁度よさそうです。なおメーカーの推奨は、ペーパードリップで0.4と0.8、フレンチプレスで0.6と1.0のふるい網です。ペーパードリップは粒度0.6mm程度、フレンチプレスは粒度0.8mm程度が最適と考えているようですね。


さらにもう一つ、コーヒーに関係のある別の種類のふるいについても書いておきます。コーヒー豆を収穫したときに豆のサイズを選別するためのスクリーンです。こちらは10〜20までのサイズがあるようで、規格は『x/64インチ』だそうです。

ちょっとわかりづらいので、実際に計算してみましょうか。
15番なら、15/64インチ = 0.234375インチ =  5.95mmです。

一般的にスクリーンサイズの大きな豆ほどよく熟した上質な豆と考えられており、取引価格も高くなります。しかし、実際にはそうとも限らず豆のサイズは味には直結しないようです。ちょっと考えればわかりますが、果物や野菜だって同じですよね。大きいリンゴと小さいリンゴのどっちが美味しいかなんて、サイズだけじゃわかりませんから。

でも生産現場では、スペシャルティコーヒーと認められれば別ですが、わざわざ焙煎してカッピングまでして味を評価してくれるなんて事はなく、見た目だけで評価されるのが実態のようです。だから、生産者は少しでも大きな豆を作ろうと必死になっているんですね。なんか、ちょっと考えさせられます。

サイズ 目開き
(mm)
20 7.94
19 7.54
18 7.14
17 6.75
16 6.35
15 5.95
14 5.56
13 5.16
12 4.76
11 4.37
10 3.97

こちらのふるいは生産国で使われるもので、国内で使われることはほとんど無いんだろうなと思っていましたが、一部の焙煎家の方は利用しているみたいです。こちらのサイトには、スクリーンがどこにも売ってなくて困っているという話がのってます。

コーヒー選別用のスクリーンを探してこのブログまで来る人はいないでしょうが、SCAAのwebショップで売ってるのを見つけたので一応リンクだけ貼っておきます。ついでにもう一つ。"green coffee screen"、"green coffee sizing screen"、"green grading screen"などで検索して探すと売っているサイトがいくつか見つかると思います(全部外国のサイトですけど)。

なお、私は上記の店で買い物をしたことはありません。日本まで送ってくれるか、対応がちゃんとしているかもわかりませんので、購入を検討される方は自己責任でおねがいします。

2017年12月28日木曜日

コーヒーの挽き目(粒度)(2)

コーヒーの挽き目(粒度)(1)へ


前回は、『コーヒーの挽き目(粒度)ってわかりづらいよね、業界団体とかで基準を作ってくれないかなぁ』→『おっ、業界の自主規格を発見したぞ、でもやっぱり曖昧だからもう少し掘り下げたい』という話で終わっていたのでその続きです。

まずは、前回書いたコーヒーの挽き目に関する業界の自主規約です。

1  粗 (荒) 挽き…挽いた粉粒はザラメ状又はそれ以上の粗さ(ドリップグラインド)(コースグラインド)
2  中挽き…グラニュー糖程度の粗さ(ミディアムグラインド)(レギュラーファイングラインド)
3  中細挽き…中挽き、細挽きの中間の粗さ(ミディアムファイングラインド)
4  細挽き…グラニュー糖と白砂糖の中間の粗さ(ファイングラインド)
5  極細挽き…細挽き以下の粗さ(エキストラファイングラインド)

で、ザラメ・グラニュー糖・上白糖(白砂糖)が挽き目の目安になることはわかりましたが、新たに以下の疑問が生じました。

1)それぞれの砂糖の粒度ってどれくらいなんだろう
2)一般的に買える砂糖はどれも同じ粒度なんだろうか(メーカーや製品によって、同じグラニュー糖でも粒度が大きく違っているのならそもそも指標として使えない)

結論としては、砂糖の粒度に関する明確な基準は無く、同じ名前(グラニュー糖など)でもメーカーや製品ごとに粒度が異なるようです。ただ、まったく無秩序なわけでもなく、だいたい以下の粒度と考えて問題ないみたいです。

・ザラメ… 1〜3mm
・グラニュー糖…0.25〜0.55mm
・上白糖…0.1〜0.2mm

これを挽き目の基準にあてはめると、こんな感じになります。
※一般のミルは細かい方から挽き目の番号が付いているので上下を逆にして、ついでに中粗挽きを追加しました。

1  極細挽き…0.2mm以下(細挽き以下の粗さ)
2  細挽き…0.35mm前後(グラニュー糖と白砂糖の中間の粗さ)
3  中細挽き…0.5mm前後(中挽き、細挽きの中間の粗さ)
4  中挽き…0.6mm前後(グラニュー糖程度の粗さ)
5  中粗挽き…0.8mm前後(ザラメとグラニュー糖の中間の粗さ )
6  粗挽き…1mm以上(挽いた粉粒はザラメ状又はそれ以上の粗さ)

さらに、しつこく掘り下げて、ふるいの規格に当てはめると以下のようになります。

1  極細挽き…0.2mm以下 #70(0.212mm)を通過する
2  細挽き…0.35mm前後 #45(0.355mm)を通過する
3  中細挽き…0.5mm前後 #35(0.500mm)を通過する
4  中挽き…0.6mm前後 #30(0.600mm)を通過する
5  中粗挽き…0.8mm前後 #20(0.850mm)を通過する
6  粗挽き…1mm以上 #16(1.18mm)を通過する
 
これを見て気づいた方もいると思いますが、中粗挽きの粒度はSCAAのカッピング基準と合致しています。せっかくなので、SCAAが公表しているカッピングの基準を見てみましょう。

『コーヒー粉は通常ペーパードリップで使う挽き目よりわずかに粗く挽き、#20のふるいで70〜75%が下に落ちる粒度であること』(意訳)

ペーパードリップに通常使う挽き目は『中挽き』で、それよりわずかに粗い挽き目は 『中粗挽き』ですよね。そして、その中粗挽きの粉は#20のふるいを通過する粒度だということなのでビンゴです。結構むりやりに粒度を推測しましたが、上記の表で大きくは外れていないのかなという気がします。

あともう一つ、SCAAの基準には挽き目の粒度を考える上で参考になるヒントが含まれているので、そちらについても検討してみます。『70〜75%が下に落ちる』という部分です。裏を返せば25〜30%は下に落ちないので、中粗挽きより大きなサイズの粉が混じっていることになります。さらに基準には明記されていませんが、中粗挽きより小さなサイズの粉も当然混じっているはずです。

どんなに高性能なミル(グラインダー)でも完璧に粒度を揃えるのは不可能なので、 粉の粒度には当然ばらつきが出ます。とは言っても、あまりにもばらつきが大きいと安定してコーヒーをいれる事が出来ません。じゃあ、どの程度のばらつきなら許容範囲内なんだろうか、という事になるのですがSCAAの基準がヒントになるかもしれません。

目標粒度より大きな粉が25〜30%、小さな粉も25〜30%、目標粒度の粉が50%程度ならば許容範囲内と考えるのはどうでしょう。

例によって、だらだらと書きましたが大半は私の勝手な推測なので、本当のところはわかりません。結論としては、『誰かわかりやすい基準を作って下さい』ということです。

2017年12月27日水曜日

コーヒーの挽き目(粒度)(1)

自分でコーヒーを挽いて飲んでいる方ならわかると思いますが、粉の挽き目は味に大きく影響します。一般的には粗挽きから細挽きまで4〜5段階にざっくりと分類されていますが、皆さんどの挽き目がどの程度の大きさ(粒度)かわかりますか?

私はいまだにわかりません。もちろん大体の感覚はありますが、どこまでが中挽きでどこから中細挽きや中粗挽きになるのか判断できません。

お店で中挽きに挽いてもらう場合でも、店によって挽き目のサイズは微妙に違いますよね。豆を買って自分で挽いている人は問題ないでしょうが、粉で買っている人は困らないんですかね。「あれ、中挽きにしてもらったのにいつもより細かいぞ」とか、「ペーパードリップ用で挽いてもらったけど挽き目が粗くてお湯がザルみたいに下に落ちちゃうな」なんてことは無いんでしょうか。

私が知らないだけかもしれませんが、サンプルの粉を用意してあり、実物を見て挽き目を指定できる店というのも聞いた事がありません。「ペーパードリップですか。じゃあ中挽きですね。」というような感じですよね。

抽出技術の問題もあるし、ドリッパーやペーパーの種類、湯温、豆の量、抽出速度にも影響されるので一概には言えませんが、いれ方が決まっていると美味しくいれられる挽き目の範囲はかなり狭いように思います。

そのわりには挽き目の明確な基準はなく、ものすごくアバウトだと思うんですよね。業界団体などで目安になる基準を作ってくれないものでしょうか。例えば、「中挽きの目安は0.5mmを超え0.7mm以下の粒度」だとか。

あと、微粉も基準がわからないですよね。ネットの情報を見ると#40という人もいれば#80という人もいます("#"はふるいの目のサイズを表す昔の単位で"メッシュ"とよみます)。サザコーヒーでは、微粉を取り除くための『コントロールストッカー』というものを売っており、#50、#40、#30のふるいが付属しています。#50だと粒度0.3mmなので確かに微粉なんだろうなと思いますが、#30は粒度0.6mmなので、それって中挽きのサイズなんじゃないかという気もします。


ぐだぐだ書いてきましたが、検索してたら面白いものを見つけました。全国公正取引協議会連合会のサイトに『レギュラーコーヒー及びインスタントコーヒーの表示に関する公正競争規約』という業界の自主規格が書かれています。

1  粗 (荒) 挽き…挽いた粉粒はザラメ状又はそれ以上の粗さ(ドリップグラインド)(コースグラインド)
2  中挽き…グラニュー糖程度の粗さ(ミディアムグラインド)(レギュラーファイングラインド)
3  中細挽き…中挽き、細挽きの中間の粗さ(ミディアムファイングラインド)
4  細挽き…グラニュー糖と白砂糖の中間の粗さ(ファイングラインド)
5  極細挽き…細挽き以下の粗さ(エキストラファイングラインド)

レギュラーコーヒーを袋詰して販売する際の表示内容に関するルールです。すごく大雑把ですが、ザラメ、グラニュー糖、白砂糖(ふつうは上白糖)という具体例があるので少しはわかりやすいです。

普通の人ならこの辺で終わりにするんでしょうが、しつこい性格なので「じゃあ、ザラメやグラニュー糖ってどのくらいの大きさなんだろう」というのが気になってしまいました。もうちょっと調べてみるのでお付き合い下さい。


コーヒーの挽き目(粒度)(2)へ

2017年12月26日火曜日

カッピング(4)手順編

カッピング(3)へ


SCAAのカッピング基準(2015/12/16改定版)について独断と偏見で解説しています。
いよいよ手順編です。


※本稿はデュラレックス・ピカルディ220ccのグラスを使い、コーヒー11g(±10%)、お湯200mlの条件でカッピングする前提で記載しています。その他の条件は以下のとおりとし、なぜこの条件なのかはカッピング(1)(2)(3)をご覧ください。

 ・焙煎度 ハイロースト(Agtron63±1)
 ・粉の挽き目 中粗挽き(#20のふるいで70〜75%が下に落ちる粒度)
 ・お湯の温度 92.2〜94.4℃

※参考までにグラスにピカルディやジゴンの160ccを使う場合は、コーヒー8g、お湯145mlになります。


豆の重さを量り各グラスに入れたら蓋をする。

各グラス毎に豆を挽き蓋をする。ミルは一度挽くごとに清掃する。

挽いた豆の色(Roast level)と香り(Fragance)を評価する。※『ドライ』での評価

挽いた順番にお湯を注いでいく。お湯はコーヒー粉に直接かけ、カップの縁まで注いで粉全体が浸るようにする。

3〜5分(通常は4分)触らずに静置する。

約1分経った時点で、グラスに触らないよう注意しながら鼻を近づけて香り(Aroma)を評価する。 ※『クラスト』での評価

7 スプーンで3回撹拌しクラスト(上部に浮かんでいる豆の層)を割る(この操作をブレイクという)。ブレイクはお湯を注いだ順番に素早く行い、注湯からブレイクまでのタイミンがすべてのグラスで同一になるよう注意する。※スプーンは毎回必ずお湯ですすぐこと

8 ブレイク直後の香り(Aroma)を嗅いで評価する。なお、ブレイク直後の香りは、ブレイクを行った人にしかわからないので、本来は各豆についてカッピングを行う人数分だけグラスを用意するのが正しい。※『ブレイク』での評価 

9 スプーンを2本使い、表面に浮かんだ泡や粉のかけらを取り除く。泡やかけらは排出用カップに入れる。

10 注湯後、8〜10分経ち、温度が71℃(160°F)まで冷めたら抽出液(上澄み)をスプーンですくって評価を開始する。まずは、フレーバー(Flavor)とアフターテイスト(Aftertaste 後味・余韻)が評価される。

11 温度が71〜60℃(160°F〜140°F)の間に、アシディティ(Acidity)、ボディ(Body コク)、バランス(Balance)を評価する。

12 温度が38℃(100°F)以下になったら、甘み(Sweetness)、均一性(Uniformity)、クリーンカップ(Clean Cup)を評価する。

13 温度が21℃(70°F)まで下がったら評価を終了する。すべての項目を評価した後に総合評価(Overall)を行う。


この連載はここで終了です。各項目の評価方法については他のサイトで詳細に解説されているのでそちらを参照して下さい。

2017年12月25日月曜日

カッピング(3)材料編2

カッピング(2)へ


SCAAのカッピング基準(2015/12/16改定版)について独断と偏見で解説しています。
材料編1では『コーヒー豆』の解説をしました。ここでは『水(お湯)』の話をします。


2 水(お湯)
 1)清潔で臭気のないものを用い、蒸留や軟化処理(軟水処理)はしないこと
 2)不純物総溶解度(TDS)は125〜175ppmが望ましく、以下の基準を超えてはならない
  ・100ppm以下
  ・250ppm以上
 3)残留塩素は検出されないこと(0mg/L)
 4)硬度は17〜85mg/Lの範囲内であること
 5)湯の温度は約93℃(92.2〜94.4℃)にする

※水に関しては水道水の使用を前提に話を進めます。
※本稿は誤解が生じやすいので予め記載しておきますが、あくまでも『SCAAのカッピング基準に適するか』という視点で検討しています。適さないと結論づけた水が、飲用に適さないとかコーヒーをいれるのに適さないとか言っているのではありません。

1)
詳しく書くと前半は、『無色透明であること』、『清潔であること』、『新鮮であること』、『無臭であること』を求めています。最初の3つは通常なら問題ないはずですが、最後の1つは問題になるかもしれません。夏場はカビ臭くなったり、カルキ臭くなることがありますよね。結論を言えば、3)の残留塩素とも関係してくるので浄水器でろ過して下さい。

蒸留に関しては、飲料水を蒸留している方はいないと思うので特に触れません。ただ、最近は蒸留水と性質的に近似した水があるので一言触れておきます。聞いたことがある方も多いと思いますが『RO水』という水です。ウォーターサーバーの宅配水、スーパーなどに設置された機械での販売や頒布、あまり多くはありませんがボトル詰めしたものも一部販売されています。

RO水は逆浸透膜という超微細フィルターで水をろ過したもので、水だけをフィルターで通過させ水以外のすべての物質を取り除くことを目的としているので蒸留に性質が似ています。このため規定に明記されていませんが、蒸留水に準ずるものとして規定外になると考えます。

最後の軟化処理は水の硬度(硬度の話は4)を参照)に関係し、簡単にいうと硬水を軟水にかえる処理です。海外で水道水が硬水の地域では、家庭に軟水器が普通にあり、各家庭で軟水処理している場合もあるそうです。ただし、ほぼ全域が軟水の日本では使用している方はほとんどいないと思います。

国内のごく一部の例外として、福岡県飯塚市頴田、新潟県湯沢町、山口県美祢市、沖縄県名護市などでは水の硬度が高いため、浄水場で軟化処理を行った水を水道水として供給しているそうです。これら浄水場で行われている軟化処理は、簡単にいうと硬度が高くなる原因のカルシウムやマグネシウムを沈殿させて取り除くものです。

これに対し、一般的な家庭用の軟水器は水中のカルシウムイオンやマグネシウムイオンをナトリウムイオンに置換するものなので、確かに原因物質は取り除けますが、それに替わって別の物質を加える結果になります。このため、水中に溶け込んでいる物質のバランスを変化させてしまいます。

さて、本題に戻りますがSCAAはどのような意図で軟化処理を禁じたのでしょうか。正解はわかりませんがいつものように推測してみます。文章を見ると『蒸留』と『軟化』は並置されているので、この2つは同様の意図で禁じたと考えるのが自然です。

蒸留は水中に含まれる水以外の物質をすべて除去する操作なので、素直に考えると『自然な状態で通常の水に一定の割合で含まれている物質を取り除いてはならない』=『普通にある一般的な水を使え』という事だと思います。

浄水所での軟化も家庭用軟水器の軟化もどちらも軟化処理ですが、微妙に違いがあるような気もします。前者はカルシウム等を少なくしただけですが、後者は少なくしたカルシウム等の分だけ替りに塩を入れています(単純化して書いているので正確な説明ではありません)。どちらも『軟水』にする処理ですが浄水場の水が『普通の軟水』を目指したのに対して、家庭用軟水器の水は『普通とはちょっと成分バランスの違う軟水』になっているように感じます。

この辺は、あまり突っ込むと揉めそうな部分なので正直触れたくないんですが、あえて踏み込んだのは『水道水をそのまま使いたい』というスタンスのためです(簡便で一番安いから)。このため浄水所での軟化処理は認めても良いんじゃないかというバイアスがかかっています。

『軟化処理はしないこと』と書いてあるんだからどっちもダメと考えるのが自然なんでしょうが、個人的には浄水所の軟化処理は認めても良いんじゃないかという気もします。浄水所の軟化処理も駄目だとなれば、当該地域の水道水はどの浄水場から供給されているのか、その浄水場では軟化処理をしているのかを調べなければならなくなります。

『水道水をそのまま使いたい』立場からは、ハードルが高くなっちゃいますね。

2)
不純物総溶解度とは、水に溶けている物質の濃度を表す指標です(『総溶解固形分』ともいう)。不純物と言われると『邪魔になる無駄なもの』というイメージを持ってしまいますが、ここでいう不純物とは『水以外のすべての成分』でありミネラル分も含まれます。実際、ミネラル分の多い硬水では値が高くなり、超硬水で有名なコントレックスは1300ppm程度になるそうです。必ずしも『TDS値が高い=不純物が多い=水が汚れている』ということでは無いので注意が必要です。

FDA(米国食品医薬品局)が水質を調べる方法として公式に認めていることから 、簡易な水質検査の方法として広く用いられています。測定器も安いものなら2000円以下で売っているので、"TDSメーター"で検索してみて下さい。

一般的な水道水は100〜150ppm程度だそうですが、100ppmを下回ることもあるようです。そうすると水道水はこの項目でアウトになる可能性がありますね。そうなったらミネラルウォーターを使うしかないと思いますが、どのミネラルウォーターが規定の範囲内かは買ってきて測らないとわかりません。

身も蓋もないですが、私なら見なかった事にして水道水を使います。

ところでTDSメーターを使った詐欺があるそうなので念のため書いておきます。
「水道局の方から来ました〜」とか言って家に上がり込み、
「水質検査をさせてもらってます」、「台所の蛇口からお水採らせてもらいますね」
コップに5cmくらい水を注いで、
「じゃあ、試薬を入れます(小さな容器に入った食塩水を数滴たらす)」
TDSメーターで測ると高い数値が表示される(塩を入れたからあたりまえ)
「うーん、基準だと一応200ppm以下になってるんですけど、だいぶ高いですね」
「お家が古くなると水道管が錆びたり、給水タンクが汚れたりして数値が高くなるんですよ」
「いやー、ちょっと数値高すぎるな―」、「心配ですねー」
とか言って、浄水器やウォーターサーバーなどを売りつけます。
皆さん気をつけましょう。

3)
日本の水道水は微生物などによる汚染を防ぐため、法律で遊離残留塩素を0.1mg/L(結合残留塩素の場合は0.4mg/L)以上含む事が決められています。このため水道水を使う場合には、塩素の除去機能を持った浄水器でろ過する必要がありますね。

もちろん、塩素を含まないボトル入りの水を使う選択肢もありますが、ボトル入りの水の中には硬度が高いものもあるので注意が必要です。

4)
硬度はミネラルウォーターには必ず書いてあるので、言葉だけは比較的だれでも知っていると思います。簡単に書くと、水に溶け込んでいるカルシウム(Ca)とマグネシウム(Mg)の量を表しています。

水は最強の触媒と言われており、程度(量)の差こそあれ水に溶けない物質はほぼありません。その中でCaとMgだけ特別扱いされるのは、水に溶け込んでいる物質の中で特に量が多く、水の性質に大きな影響を与えるためだと思われます。硬度が高いとやかんなどに水垢がつきやすい、石鹸の泡立ちが悪く洗浄力も落ちる、料理の際に出汁が出にくいなど、日常生活でわかりやすい影響が出ます。

硬水は出汁が出にくいと書きましたが、出汁だけでなくお茶やコーヒーの成分も抽出されにくくなります。逆に雑味やアクも出にくくなるので一長一短ですが、お茶やコーヒーの抽出には一般的に軟水が適していると言われています。SCAAが規定している硬度も、いわゆる軟水にあたるものです。

硬度を正確に測りたい場合は2〜3000円で試薬が売っているので、"水 硬度測定"などで検索してみて下さい。(私のように)お金を掛けたくない人には便利なサイトがあります。『水道水質データベース』というサイトです。

上部右端にある『浄水(給水栓等) >> 上水道事業』 を開き、該当地域の最も新しい年度の『基準項目』を開いて下さい。各浄水場ごとの検査項目が一覧表示されるので『カルシウム、マグネシウム等(硬度)』の欄を見ると硬度が記載されています。東京都の金町浄水場であれば、2頁目の左端、下から1/5くらいのところに81と書いています。金町浄水場が供給している水道水の硬度が81ppmだということがわかります。

日本のほとんどの地域はSCAA基準の範囲内だと思いますが、1割強の地域では硬度が高すぎるかもしれません。その場合はミネラルウォーターを使うのが正しい方法だとは思いますが、極端に基準をオーバーしていなければ見なかったことにして水道水を使うのもありだと思います。

5)
お湯を沸かすときは温度計で測りましょう。温度は約93℃と規定されていますが、よく見てみるとSCAAのサイト内で3つの記載があります。

 ・"Cupping Protocols" 約200°F(93.0℃)
 ・"Cupping Standards" 200°F±2°F(92.2〜94.4℃)
 ・"Brewing Best Practices" 200°F±5°F(93.0℃±3℃)

本稿の記述は"Cupping Protocols"を基本として、"Cupping Standards"も参照しているので、
"Protocols"の『約』の幅は"Standards"に書かれている『華氏で±2度』の幅と判断しました。


さて、長々とたわ言を述べてきましたが、最後にとても素敵な本を紹介します。SCAAの水に関する公式ガイドブック、"The Water Quality Handbook"という本が35ドルで売っているので、お金のあまっている人やマニアの人はどうぞ。英語が好きな人にもお薦めです。あと、水が好きな人や、SCAAが好きな人にも。ついでに、本が好きな人にもお薦めします。


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2017年12月24日日曜日

カッピング(2)材料編1

カッピング(1)へ


SCAAのカッピング基準(2015/12/16改定版)について独断と偏見で解説しています。
(1)の道具編に続き今回は材料編です。「材料ってなんだ」と思ったかもしれませんが、要は『コーヒー豆』と『水(お湯)』の話です。 では、早速本題に入ります。


1 コーヒー豆
 1)焙煎はカッピングを実施する前、8〜24時間以内に行うこと
 2)焙煎度は以下の手順で測定し、決められた数値の範囲内であること
  ・焙煎した後、30分〜4時間の範囲内に測定する
  ・規定の粗さに豆を挽いて測定する
  ・Agtron Gourmet Scaleで測った値が63±1であること
 3)焙煎は8分以上12分以内で行うこと
 4)焙煎したら直ちに空冷すること(水冷しないこと)
 5)室温まで冷却したら、密閉容器や非透過性バックに密閉し(豆のままで)保管すること
 6)保管は冷暗所で行うこと(冷蔵や冷凍はしない)
 7)豆の挽き目は#20のふるいを使用して70〜75%が落ちる粒度であること
 8)豆を挽くのはカッピングの直前に行うこと

1)
焙煎直後の豆はガス(炭酸ガス)の発生が多く、品質が安定しないそうです。web情報ですが、焙煎屋さんでも焙煎後すぐには販売せず、1〜3日休ませてから豆を販売するようです。焙煎豆は3日ほどで品質が安定し1週間後くらいまでベストの状態が維持され、そこから徐々に劣化していき美味しく飲める限度は3〜4週間だそうです。もちろん、保管方法にもよりますし、夏冬の(気温の)違いもありますので絶対的な情報ではありません。
 
上記の情報が正しければ、焙煎後24〜48時間以内にカッピングするほうが安定して正確にテスト出来そうですが、そうすると2日前から準備しなければならなくなるので、あまりにも煩雑です。実際のオペレーションを考えて上限値(24時間)と下限値(8時間)が決められたのだと思います。

2)
同じ豆でも浅煎りと深煎りでは味が大きく変わるので、焙煎度を一定にしないと正しい評価が出来ません。SCAAではいくつかのメーカー(AgtronColorTrackProbatJavalyticsLightells)の分光光度計を使って豆の色を測るよう指定しています。簡単に言うと、どのくらい黒いかで焙煎度を判別しています。

測定のタイミングも指定さていますが、この理由はわかりません。にわか知識と推測ですが、焙煎によって豆の色が濃くなるのは『メイラード反応』『カラメル化反応』『炭化』の3つが主な原因だと思います。カラメル化反応と炭化は常温では進まないと思いますし、メイラード反応は常温でも進むようですが非常に遅いとの事なので、短時間で色が大きく変化するとは思えません。なんで測定のタイミングを指定してるんでしょうね。

焙煎度は豆のままではなく、挽いてから測定するルールです。次の3)とも関係しますが、表面はこんがり焼けていても中は生焼けということもありうるので、挽いて全体を均一化させた状態で測定する必要があります。
※この段階で挽く豆はあくまでも焙煎度測定用の少量だけです。カッピング用の豆は直前まで豆のままで保存します。

ここでは日本でも比較的名前が知られているAgtron(アグトロン)の測定値だけを書きました。アメリカではAgtronがデファクトスタンダードみたいです。と、ここまではいいとして問題はAgtronの63ってどのくらいの焙煎度なんだろうということです。netの画像ではミディアムローストくらいに見えるんですけど正直わかりません。

蛇足ですがAgtronの測定器について、もうちょっと書いておきます。アグトロンには"Gourmet Scale"と"Commercial Scale"という2つの測定尺度があるそうなんですが、コーヒー業界では"Gourmet Scale"が一般的に利用されているようです。なので、コーヒーに関してアグトロン63と書かれていたらそれは"Gourmet Scale"の63ということです。なお、値は0から100の数値で表され、数値が小さいほど濃い色(深煎り)になります。

SCAA公認のLightells社が出している焙煎度計CM-100が、18万円弱で日本でも買えるようです(測定尺度はAgtron Gourmet Scaleと同じです)。SCAA公認の日本で買える製品としては最安だと思います。興味のある人は"Lightells CM-100"で検索しましょう。

SCAAのルールでは焙煎度は少し時間を置いてから測定することになっているので、リアルタイムで確認したい場合は困ります。もちろん職人さんは経験と勘で焙煎するんでしょうが、指標となるカラーチャートがSCAAのwebショップで販売されています。8枚セットで3万円もしますが、100万円のアグトロンよりはましなので、アグトロンの測定値を知りたい場合には役立ちます。

また、日本でも上記のカラーチャートを忠実に再現したと称する製品が販売されており、こちらは4〜500円で買えます。興味があれば『ロースティングカラーチャート』で検索して下さい。

この商品を見ていて気づいたんですが、アグトロン63に一番近い65(Light Medium)には『1ハゼと2ハゼの間』と書いてますね。ということは、アグトロン63はハイロースト(中浅煎り)くらいなんでしょうね。

なお、この商品にはアグトロン値が書いていないようなのでおまけで換算表をつけておきます。

ロースト アグトロン値
Very Light 95
Light 85
Moderately Light 75
Light Medium 65
Medium 55
Moderately Dark 45
Dark 35
Very Dark 25

どんどん本題からずれていきますが、L値についても少しだけ触れておきます。L値は色の明るさ(明度)を表す指標で0〜100の数値で表され、値が小さいほど暗い色となります(黒は0、白は100)。またアグトロンと違い万国共通の一般的な指標で、測定は色差計で行います。必ずしも一般的では無いようですが、日本ではL値を焙煎の目安に使っている焙煎士もいるようです。

L値について調べていたらものすごく面白そうな本を見つけてしまいました。
吉儀英記 『香料入門:香りを学びプロを目指すための養成講座』 フレグランスジャーナル社 2002
コーヒーの香りについてとても詳細に書かれています。P116〜132まで読むとコーヒーの香りに関しては専門家になれるレベルです。でもこのリンク貼っちゃって良いのか悩みますね。 えい! 貼っちゃいました。

同書のP118 『表3-24 焙煎度とL値』 を引用させてもらいます。
焙煎度 L値 標準L値
Light 30.0 < 30.2
Cinnamon 27.1〜30.0 27.0
Medium 24.1〜27.0 24.2
High 21.1〜24.0 21.5
City 18.1〜21.0 18.5
Full City 16.1〜18.0 16.8
French 15.1〜16.0 15.5
Italian 15.0 < 14.2
※そのまま載せましたが、間違いと思われる箇所が2つあります(未確認)。
※Cinnamonの標準L値 27.0(誤) → 27.3(正)
※ItalianのL値 15.0 <(誤) → < 15.0(正)

ついでに、L値に関連するサイトのリンクを貼っておきます。[1][2]

3)
食べ物を加熱する場合、2つのやり方があります。強火で短時間加熱するか、弱火で長時間加熱するかです。強火で長時間加熱すると焦げてしまうし、弱火で長時間だと十分に火がとおらないので、火力と加熱時間はある程度まで連動します。つまり、焙煎度が決められている状態で焙煎時間(加熱時間)も指定されるということは、結果的に火力も指定されるということになります。

また、焙煎時間は香りや味にも影響を与えるはずです。同じ焙煎度でも、短時間しか加熱していないのか長時間加熱を続けたのかによって、香りや味の強さや質が変化するはずです。一般論ですが、香り成分は気化するので加熱時間が長いほど香りが逃げます。ただコーヒーの香りは加熱により生成される部分(香ばしさなど)が大きいので、その意味では加熱時間を長くすると香りが強くなりそうな気もします(正確には時間ではなく『加えた熱量(=火力×時間)』でしょうか)。

話が変な方に行きましたが、焙煎度と焙煎時間を指定することで、同じ焙煎条件に揃えることができるのでうまい方法だと思います。

4)
焙煎直後の豆は200℃くらいの高温になっているので、焙煎機から出したら直ぐに広げて冷まさないと自分自身の熱でどんどん焙煎が進んでしまいます。だから、ちゃんと冷ましなさいよということですね。

もう一つ、冷却方法は空冷限定ということです。最初「豆の冷却に水冷なんてあるのか?」と思ったんですが、調べてみると水冷式冷却器というのがちゃんとあるらしいです。ただし、当然のことながらある程度大規模な設備が必要になります。

ここからは私の推測(そもそもこの文章はほとんど推測ですけど)ですが、 空冷だとゆっくり冷える(徐冷)のに対し、水冷だと急速に冷える(急冷)ので、風味などに違いが出てくるのかもしれません。だとすればテスト条件を一定にするため、どちらかに限定するのは自然な流れです。 でも水冷に統一すると大規模な設備が必要なので、カッピングのできる場所が限定されてしまいます。そこで、空冷に統一したのではないでしょうか。

5)
上では省略して書きましたが、原文はもっと詳しく書いてます。『20℃まで冷えたら、他の豆や異物の混入を防ぐためと、空気との接触を最小限にする目的で、気密容器か非透過性バックに入れて保管すること。』

そのままなので解説は必要ありませんが、 空気との接触を最小限にするのは酸化を避けるためと香りが飛ぶのを防ぐためでしょうね。あと紫外線も劣化の原因になるので、光を通さない容器がベストでしょう。

6)
『冷暗所』は食品の保管でよく聞きますが、漠然としていて案外よくわからない言葉だと思いませんか。暗所は光の当たらない暗い場所なのですぐわかります。でも冷所はどのくらいの温度なんでしょう。

冷暗所と言われると、冷蔵庫に入れる方もいるようですが、冷蔵庫に入れて欲しい場合は通常『冷蔵』と書いています。広義では冷蔵も含むのでしょうが、狭義では冷蔵にならない程度に冷たい(涼しい)温度と考えればいいと思います。参考になる数値が日本薬局方(医薬品に関する規定)に記載されています。

 ・室温:1〜30℃
 ・常温:15〜25℃
 ・冷所:1〜15℃
 ・冷蔵:2〜8℃

もうひとつ、JASや食品衛生法では10℃以下が冷蔵となっています。ということで文字通りに考えると11〜15℃が冷所になります。でも、通常そこまで厳密に考えることもなく、常温と冷蔵を含めた涼しい場所で良いと思います。

無駄話が長くなりましたが、実はカッコ書きの方が重要です。あえて冷蔵や冷凍の禁止を明記しているからです。ではなぜ、明記してまで禁止したんでしょうか。3つほど考えてみました。

a. 管理が煩雑になる。
挽いた直後の香りもチェック項目の一つですから、きちんと香りがわかるよう常温に戻さなければならないはずです。そのためには一度冷蔵庫に入れたものをカッピングの2〜3時間前に冷蔵庫から出す必要があり作業が煩雑になります。

b. 結露の心配がある。
コーヒー劣化の四大原因は、酸化、紫外線、湿気、高温と言われます。冷蔵庫に入れると極めて湿度が低いか室温が低くない限り、出した時に間違いなく結露します。湿度が高いだけでも劣化するのに、結露で直接水滴が触れるのは品質保持の観点からみて最悪です。

c. 焙煎後の豆の安定に悪影響がでる。
SCAA基準では豆の状態を安定させるために、焙煎後わざわざ8時間休ませています(上記1)を参照)。しかし低温貯蔵すると活性が低下するので、豆の安定化が遅れ想定された状態まで豆の安定が進まない可能性があります。

まあ、SCAAが理由を公表していないので、なんとも言えません。暇つぶしの頭の体操でした。

7)
上では省略しましたが原文は『通常ペーパードリップで使う挽き目よりわずかに粗く挽き、#20のふるいで70〜75%が下に落ちる粒度であること』となっています。#20のふるいは、目のサイズ(目開き)が0.85mmなので、要は70〜75%が0.85mm以下の粒度になるよう豆を挽きなさいということです。

また、通常ペーパードリップでは中挽きにするので、わずかに粗い挽き目は中粗挽きということになります。中粗挽きはフレンチプレスに推奨される挽き目で、カッピングもフレンチプレスも浸漬法の抽出なので、理にかなっています。

面白いのは、粉の粗さは上限が設定されているのに、下限は設定されていないことです。 やろうと思えは、『#20(0.85mm)で70〜75%が落ち、#40(0.425mm)では20%以下しか落ちない粒度』というような指定もできるのに、あえてそうしていません。

中浅煎り(上記2)を参照)で微粉が出づらいので単純化のために省略したのか、あるいはそもそも微粉などは気にしていないのか。後者だとすると、微粉を気にする人の多い日本とは対照的ですね。大雑把と考える人もいるかもしれませんが、雑味やアクもコーヒーの味のうちと考えているのかもしれません。

限度問題ではありますが、私は雑味やアクも素材の味のうちと考えるタイプです。このへんは、好みや考え方の違いでしょうが、豆の品質をチェックするという観点からは雑味も含めてチェックするのが正解なのかもしれません。

なお、SCAA基準に則ったカッピングをするのであれば、使用するミル(グラインダー)で規定の粗さに豆を挽けるか事前にテストしておく必要があります。そのためには、#20のふるいも用意しなければなりません。ふるいは結構高い(5000円くらい)し、他に使いみちもないので正直購入を躊躇します。

8)
上で豆の挽き目を説明したので、勘違いして事前に豆を挽いちゃわないよう注意喚起として書きました。準備段階で豆を挽くのは、あくまでも焙煎度のテスト用としてだけです。せいぜい20gも挽けば十分で、それ以外の豆はカッピングの直前まで豆のままで保存して下さい。


とんでもない長文になり、とても水までは書けないので、別のページに分けます。


カッピング(3)へ


あと一応念のため、免責事項です。
しつこいようですが私はただの素人です。質問されても答えられませんし、そもそも間違って理解している可能性もあります。ここの記述が正しい保証もありません。

また、基本的に自分用の備忘録として書いているので、(不快に思う方もいるかもしれませんが)正しい内容がわかった時点で内容を断りなく書き換えることもありえます。

2017年12月23日土曜日

カッピング(1)道具編

SCAAのカッピング基準(2015/12/16改訂版)について調べてみました。
カッピングの方法には大まかに2つの流派があるようです。
 ・SCAA(Specialty Coffee Association of America)
 ・COE(Cup of Excellence)

SCAJ(日本スペシャルティコーヒー協会)をはじめBSCA(ブラジル・スペシャルティコーヒー協会)、SCAE(ヨーロッパ・スペシャルティコーヒー協会)など多くの国や組織はCOE方式に準拠しているので、COE基準を知りたいところですが残念ながらCOEのルールは公表されていないようです。

というわけで、詳細に情報を公開しているSCAA基準を調べましたが、悲しいことに英語が苦手でよくわからない…。
日本語で解説しているサイトもたくさんありますが、情報が断片的で知りたい内容を網羅しているものは見つかりません。機械翻訳を駆使してなんとなく理解できた情報を備忘録としてまとめました。

それでは、必要な道具から見ていきましょう。


1 カップ
 ・材質は強化ガラスまたは磁器であること
 ・容量は7〜9oz(207〜266ml)であること
 ・開口部は76〜89mmであること
 ・蓋があること
 ・使用するカップはすべて同じであること

ネットを探すと専用カップやグラスも売られていますが一つ千円以上します。ちょっと試しにやろうとしても5〜6個は必要になるので、カッピングだけのためにこんな高い買い物はできません。後から追加で買い足そうとしても、仕様が変わっていて数年後には同じものを買えなくなっている可能性もあります。

値段が安くて、簡単に入手でき、10年後でもほぼ確実に同じものが手に入り、ついでに普段も食器として使える。という基準で考えると業務用の定番として広く利用されている強化ガラス製グラスがベストだと思います。具体的にはデュラレックスのピカルディ220ccもしくは250ccをお奨めしておきます。

個人的にはジゴンの方が好きなんですが、220ccサイズの開口部は75mmなので上記の基準に1mm足りません(外径は79mmですが縁の厚さが2mmあるので開口部は75mmです)。

なお、私自身は上記の基準から外れますがジゴンの160ccを使っています。このグラスにコーヒー粉8gとお湯145mlを入れるとちょうど良いんですよね。

ちなみにデュラレックスのグラスに蓋は無いので、お皿等で代用するか蓋は省略することになります。


2 スプーン
 ・非反応性金属で4〜5mlすくえるもの

SCAAの基準はこれだけみたいですが、ずいぶん大雑把ですね。 素人の個人的見解であることをお断りしたうえで少し補足しておきます。

まず、5mlすくえれば良いからといって、5mlジャストのスプーンではダメです。カップから口元に運ぶときごぼれてしまうし、それ以前にスプーンが小さすぎて吸い込みづらいです。実際には2〜3倍の量(10〜15ml) をすくえるスプーンが必要です。

2つ目は形です、カッピング専用のスプーンはすくう部分が球の下1/4を切り取った様な形をしており、上から見るとまんまるです。レストランなどで食事をする機会の多い方やカトラリーに詳しい方はお気づきでしょうが、ブイヨンスプーンやスープスプーンと同じ形で、涙滴型のティースプーンやデザートスプーンとは形が異なります。

詳しくは知りませんが、カッピング専用のスプーンというものが最初からあったわけではなく、もともとはブイヨンスプーンやスープスプーンをカッピングに利用していたそうです。そして、カッピングの技術が標準化されていく過程で、使いやすいサイズや形に改良され現在のカッピング専用スプーンになったわけです。だから、カッピング用スプーンがブイヨンスプーンに似ているのは当たり前で、ブイヨンスプーンをカッピングに使っても実用上なんの問題もありません。

3つめは材質です。金属限定になっていますが、おそらく木やプラスチックだと匂い移りするからでしょうね。 で、わからないのが非反応性金属(non-reactive metal)という部分です。コーヒーや水に含まれる成分でスプーンが変質してしまったり、金属成分がイオン化してコーヒー液中に溶け出すと香りや味を正確に評価できないので、「非反応=化学的に安定性の高い」金属でなければならないというのはわかります。ではなぜ、SCAA公式のカッピングスプーンとして銀メッキのスプーンが売られているんでしょうか?銀はすぐに変質して黒くなることからもわかるように、化学的に不安定だと思うんですけど…。まあ細かいことは置いておくとして、材質は18-10または18-8ステンレスが無難だと思います。

SCAAのwebショップでは、標準サイズ(幅44mm×深さ12mm×長さ163mm)とSSサイズ(Small Shortの略? 幅41mm×深さ10mm×長さ155mm) のスプーンを売っています。未確認情報ですがSCAJ公認のスプーンはSCAAのものより一回り小さいそうです。

ちなみに、私は燕物産(TBCL)のニューポート・ブイヨンスプーン(18-8ステンレス製)を使っています。サイズは幅42mm×深さ8mm×長さ152mmで約10mlすくえます。価格は税抜き330円なので、800〜1500円する専用スプーンの1/2〜1/4の値段です。このスプーンはホテルや飲食店で業務用として使われており、10年も前から売れ続けているベストセラーモデルだそうです。ピカルディ同様、業務用の定番モデルなので値段が安くて、簡単に入手でき、10年後でも高い確率で同じものが手に入ります。カッピングのために買いましたが、当然のことながら普段もスープを飲むときに使ってます。

ところで、スプーンは2本必要になるので2本用意してくださいね。


3 カッピングフォーム
 ・SCAAのカッピングフォームがあります

カッピングの評価を書き込む用紙(書式)です。webで検索して入手して下さい。


4 やかん
 ・SCAA基準なし

基準はありませんが、緑茶や中国茶が好きな人ならご存知のように湯沸かし(やかん)や急須の違いでお茶の味は変化します。コーヒーも同じなので、カップやスプーン同様に気を使う必要があります。

匂いがついてしまうもの(電気ポットなど)や何らかの成分が溶け出す可能性があるもの(鉄瓶など)は好ましくありません。結論だけ書くとスプーンと同様にステンレス製が良いでしょう。なお、カッピングの途中でお湯を沸かし直すことは出来ないので、必要な量を一度に沸かせるサイズのやかんを用意しましよう。


5 コーヒーミル(グラインダー)
 ・SCAA基準なし

できれば電動のコーヒーミルが望ましいです。性能に定評があり、家庭用として入手しやすいのは以下の4機種あたりでしょうか(手挽きミルは粒度が揃いづらく、そもそも挽くのが大変です)。
 ・ボンマック BM-250N
 ・カリタ ナイスカットG
 ・カリタ ネクストG
 ・フジローヤル みるっこ

カッピングに限らず、コーヒーはいれる直前に挽いたほうが断然美味しいので、安い手挽きミルでもよいので買うことをおすすめします。

ちなみに、少し前まで私はポーレックスもどきの安い(1250円)手挽きミルを使っていましたが、この程度のものでもそれなりに美味しく飲めていました。このミルは残念ながら1年弱で壊れてしまったので、現在はボンマックBM-250Nを使っています。

なお、SCAA基準のカッピングをしたい場合は、使用予定のミルで豆を規定の粗さに挽けることを事前確認しておく必要があります。

SCAAの挽き目基準
『#20のふるいを使用して70〜75%が落ちる粒度であること』

#20(0.85mm = 850μ)のふるいを用意し、挽いた豆がこのふるいで70〜75%落ちる挽き目を探して下さい(中粗挽きに相当)。もし、該当する挽き目が作れない場合、そのミルはSCAA基準のカッピングには使えません。ちょうど良い挽き目が作れたら、挽き目調整ダイヤルの目盛りを覚えておきましょう。


6 はかり
 ・SCAA基準なし

できれば、0.1g単位で計れる物が良いでしょう。最低でも0.5g単位で計れるものが必要です。10g程度の重さを誤差10%以下で計る必要があるので、1g単位だとちょっと厳しいです。


7 温度計
 ・SCAA基準なし

お湯の温度を計るのに使います。0.1℃単位で計れるものが良いでしょう。


8 タイマー
 ・SCAA基準なし

お湯を注いだ後に時間をはかります。1秒単位で設定できるカウントダウン式のタイマーが使いやすいでしょう。


9 洗浄用カップ
 ・SCAA基準なし

スプーンを洗うためのぬるま湯を入れるカップです。カッピング用と同じカップを使っても良いし、紙コップなどでも良いですが、香りや味に影響を与えるカップは好ましくありません。


10 排出用カップ
 ・SCAA基準なし

すすったコーヒーを吐き出すためのカップです。人数分用意しましょう。洗浄用カップと同様、香りや味に影響を与えない限りどのようなものでも構いません。ただ、一度口に含んだものを吐き出すので、美観的に中身が見えない素材で、衛生上使い捨ての方が良いと思います。


カッピング(2)へ

アメリカの単位

容量の単位 ・液量オンス(fl oz) 29.6cc ・大さじ(tbs) 14.8cc(1/2 fl oz) ・小さじ(tsp)  4.9cc(1/6 fl oz = 1/3tbs) ・カップ(cup) 236.6cc ・パイント(pt) 473.2cc(2cup)...