コーヒーの挽き目(粒度)(1)へ
前回は、『コーヒーの挽き目(粒度)ってわかりづらいよね、業界団体とかで基準を作ってくれないかなぁ』→『おっ、業界の自主規格を発見したぞ、でもやっぱり曖昧だからもう少し掘り下げたい』という話で終わっていたのでその続きです。
まずは、前回書いたコーヒーの挽き目に関する業界の自主規約です。
1 粗 (荒) 挽き…挽いた粉粒はザラメ状又はそれ以上の粗さ(ドリップグラインド)(コースグラインド)
2 中挽き…グラニュー糖程度の粗さ(ミディアムグラインド)(レギュラーファイングラインド)
3 中細挽き…中挽き、細挽きの中間の粗さ(ミディアムファイングラインド)
4 細挽き…グラニュー糖と白砂糖の中間の粗さ(ファイングラインド)
5 極細挽き…細挽き以下の粗さ(エキストラファイングラインド)
で、ザラメ・グラニュー糖・上白糖(白砂糖)が挽き目の目安になることはわかりましたが、新たに以下の疑問が生じました。
1)それぞれの砂糖の粒度ってどれくらいなんだろう
2)一般的に買える砂糖はどれも同じ粒度なんだろうか(メーカーや製品によって、同じグラニュー糖でも粒度が大きく違っているのならそもそも指標として使えない)
結論としては、砂糖の粒度に関する明確な基準は無く、同じ名前(グラニュー糖など)でもメーカーや製品ごとに粒度が異なるようです。ただ、まったく無秩序なわけでもなく、だいたい以下の粒度と考えて問題ないみたいです。
・ザラメ… 1〜3mm
・グラニュー糖…0.25〜0.55mm
・上白糖…0.1〜0.2mm
これを挽き目の基準にあてはめると、こんな感じになります。
※一般のミルは細かい方から挽き目の番号が付いているので上下を逆にして、ついでに中粗挽きを追加しました。
1 極細挽き…0.2mm以下(細挽き以下の粗さ)
2 細挽き…0.35mm前後(グラニュー糖と白砂糖の中間の粗さ)
3 中細挽き…0.5mm前後(中挽き、細挽きの中間の粗さ)
4 中挽き…0.6mm前後(グラニュー糖程度の粗さ)
5 中粗挽き…0.8mm前後(ザラメとグラニュー糖の中間の粗さ )
6 粗挽き…1mm以上(挽いた粉粒はザラメ状又はそれ以上の粗さ)
さらに、しつこく掘り下げて、ふるいの規格に当てはめると以下のようになります。
1 極細挽き…0.2mm以下 #70(0.212mm)を通過する
2 細挽き…0.35mm前後 #45(0.355mm)を通過する
3 中細挽き…0.5mm前後 #35(0.500mm)を通過する
4 中挽き…0.6mm前後 #30(0.600mm)を通過する
5 中粗挽き…0.8mm前後 #20(0.850mm)を通過する
6 粗挽き…1mm以上 #16(1.18mm)を通過する
これを見て気づいた方もいると思いますが、中粗挽きの粒度はSCAAのカッピング基準と合致しています。せっかくなので、SCAAが公表しているカッピングの基準を見てみましょう。
『コーヒー粉は通常ペーパードリップで使う挽き目よりわずかに粗く挽き、#20のふるいで70〜75%が下に落ちる粒度であること』(意訳)
ペーパードリップに通常使う挽き目は『中挽き』で、それよりわずかに粗い挽き目は 『中粗挽き』ですよね。そして、その中粗挽きの粉は#20のふるいを通過する粒度だということなのでビンゴです。結構むりやりに粒度を推測しましたが、上記の表で大きくは外れていないのかなという気がします。
あともう一つ、SCAAの基準には挽き目の粒度を考える上で参考になるヒントが含まれているので、そちらについても検討してみます。『70〜75%が下に落ちる』という部分です。裏を返せば25〜30%は下に落ちないので、中粗挽きより大きなサイズの粉が混じっていることになります。さらに基準には明記されていませんが、中粗挽きより小さなサイズの粉も当然混じっているはずです。
どんなに高性能なミル(グラインダー)でも完璧に粒度を揃えるのは不可能なので、 粉の粒度には当然ばらつきが出ます。とは言っても、あまりにもばらつきが大きいと安定してコーヒーをいれる事が出来ません。じゃあ、どの程度のばらつきなら許容範囲内なんだろうか、という事になるのですがSCAAの基準がヒントになるかもしれません。
目標粒度より大きな粉が25〜30%、小さな粉も25〜30%、目標粒度の粉が50%程度ならば許容範囲内と考えるのはどうでしょう。
例によって、だらだらと書きましたが大半は私の勝手な推測なので、本当のところはわかりません。結論としては、『誰かわかりやすい基準を作って下さい』ということです。
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